文化・歴史
海外の梅製品:中国の酸梅湯、台湾の脆梅、韓国の梅実清
梅を食べるのは日本だけではありません。燻した梅で作る北京の夏の飲み物、台湾の梅の里の加工品、韓国の家庭で作る梅のシロップを紹介します。
梅は中国から日本に伝わったとされる植物で、東アジアの各地で、それぞれの食べ方が育ってきました。日本の梅干しや梅酒とはひと味ちがう、海外の梅製品を紹介します。
中国:北京の夏の定番「酸梅湯(さんめいとう)」
酸梅湯は、梅を使った甘酸っぱい冷たい飲み物です。北京市の公式サイトに転載された北京日報の記事によると、一般的な材料は烏梅(うばい)・山査子(さんざし)・甘草・桂花(キンモクセイ)・砂糖で、主役は烏梅です。
烏梅は、熟しかけた梅を燻して黒くしたものです。同じ記事は、中国最古の本草書『神農本草経』の記述として、5月に採った梅を百草の煙で燻して黒くしたものを烏梅とする、と紹介しています。
酸梅湯が大衆的な飲み物として広く飲まれるようになったのは清代で、とくに北京が本場とされています。手作りのほか、瓶入りの飲料や、水で溶いて作る製品も登場しています。
台湾:梅の里・南投県信義郷の加工品
台湾中部の南投県信義郷(しんぎごう)は「青梅の郷」と呼ばれる梅の産地で、生産量は台湾で上位3位に入ります(台湾農業部の食農教育サイト)。信義郷農会(農協にあたる組織)の「梅子夢工廠」では、次のような梅製品が売られています(台湾農業部の農業旅行サイトより)。
- 蜜餞(みつせん): 陳年梅、紫蘇梅、脆梅(カリカリした食感の梅)、Q梅など
- 健康志向の製品: 梅精(梅のエキス)、梅酢、烏梅湯
- お菓子・お酒: 梅精の飴、梅のゼリー、地元で造る梅酒
話梅(ホアメイ)は、水やお湯で薄めて飲む楽しみ方も紹介されています。
韓国:家庭で作る「梅実清(メシルチョン)」
韓国では、梅を「梅実(メシル)」と呼びます。梅実清(メシルチョン) は、梅と砂糖を合わせて約100日おいて作るシロップです。発酵を防ぐため、砂糖は梅と同量以上にするのが目安とされています。
梅実清は、水やお湯で割って**梅実茶(メシルチャ)**として飲むほか、料理の甘みづけにも使われます。日本の梅シロップとよく似た作り方です。
日本の梅製品と比べると
日本では塩で漬ける梅干しが代表的ですが、中国の酸梅湯は燻した梅、台湾は甘い蜜餞、韓国は砂糖のシロップと、国ごとに主役になる加工法がちがいます。旅先で見かけたら、ぜひ味わってみてください。
日本の梅製品は梅の商品で探せます。